セカンド・アルバムのUS盤は、発売早々、針飛びが起こるという問題に見舞われました。
ファースト・プレスの代わりの盤が必要となり、まずカッティングされたのはサフィックスがDの盤です。
針飛びの起きたのはB面の"Ramble On"と"Moby Dick"だったらしく、そのためか両面ともサフィックスがD、という盤は見たことがありません。
B面がDで、A面はA~Cのうちのどれかが引き続き使われたようです。
カッティングしたのはLudwigと同じく、Sterling Soundに所属していたカッティング・エンジニアのLee Hulkoで、デッド・ワックスを見るとLHというイニシャルが刻まれています。
Dの盤の後にも、いろいろな盤がカッティングされました。
これはコロンビア・レコードの工場で作られた盤です。
一般的なアトランティック・レコードの盤と違い、マトリックス・ナンバーは手書きではなく、盤の内周方向を下向きにして刻まれています。
サフィックスはアトランティックの書式と違い、"1F"のような数字とアルファベットが組み合わさった書式で、これはコロンビア盤特有のものです。
隣にはコロンビア盤を示すCTHという文字も読めますね。
音質はこもり気味です。高域が少なく、エコーがかかっているようにも聴こえます。
こちらはLの盤です。
B面を写しましたが、デッド・ワックスの幅はA~Cに比べてだいぶ広くなっています。
こちらも音はこもり気味です。
こちらの盤はサフィックスがWです。
レコード番号はオリジナル盤のSD8236ですが、中でも最後の時期、おそらく75年~76年あたりのプレスではないでしょうか。
ファースト・プレスに比べると盤がだいぶ薄くなっています。Wの横に薄くW-REPLと刻まれていますね。
サフィックスが同じアルファベットで二文字刻まれた盤はMonarch Record Mfg. Co. で製造されたものです。
Monarch Recordの頭文字の(丸の中に)MRとATGPという文字も刻まれています。
ATGPはアトランティック・レコードのGeorge Pirosがカッティングしたことを示します。
彼がカッティングしたファースト・アルバムと同傾向で、少し高域が強調された音に仕上がっていますね。