ファースト・プレスの周波数特性について、そのものと、イコライザー・カーブをCCIRからNABに変換させた音源を比較してみました。
できればターン・オーバーとロール・オフの影響のない、200Hz付近(が妥当でしょうか?)でレベルを合わせるべきなのかもしれませんが、うまく揃えることがいきませんでした。ここでは傾向で判断してみることにします。
比較したのは次の音源です。
- 水色の線 : 80年代にBarry DiamentがマスタリングしたCD 水色の線
- 緑の線 : 2014年の24/96ハイレゾ音源
- オレンジの線 : サフィックスA/Aの盤をデジタル化したもの
- ピンクの線 : サフィックスA/Aの盤をデジタル化して、イコライザー・カーブを変換したもの
Barry DiamantのCDはアナログ・マスターをそのままデジタル化したものといわれています。
2014年のハイレゾ音源はジミーが監修した最新の音ですね。ジミーはこれが本来の音で、60年代のアナログ盤では出せなかった低域を含んでいるとインタビューに答えています。ただし、リマスタリングで音を操作しているようにも思えます。
※他にもたくさんの種類のLPやCDがあります。サフィックスがBやCの盤、2007年のSHMCDというとマスタリングによって本来の音が変わっているかも知れません。とりあえず上記のCDで比較することにしました。
同じ音源なので周波数特性は基本的には同じ傾向ですね。
細かく見てみると。。。
イコライザー・カーブの変換はうまくいって、変換前は低域が大きく高域が小さかった特性が、変換後は逆転して低域が小さく高域が大きくなっています。
あとは微妙でしょうか。。。。
高域の部分を切り出してみましょう。
どの音源も高域に向かって小さくなっていきますが、変換前は落ち幅が大きいように見えます。
ざっくりした変換後の方がCDに近い印象を受けます。
A/Aの盤はイコライザー・カーブを間違えてカッティングしたという仮説を立ててみましたが、実際のところはどうでしょうね。。。