オープン・リールのイコライザー・カーブの規格は、大きく分けて二つあります。
アメリカや日本で採用されていたNABとヨーロッパで採用されていたCCIRです。
NABは、全米放送事業者協会(National Association of Broadcasters)が、CCIRは、国際無線通信諮問委員会(Comite Consultatif Internationale des Radiocommunications)が定めました。
調べてみた結果、どうやら規格は時期によって変化しているようですね。またテープの速度によってもカーブのもとになる時定数に違いがあったりもします。資料をいくつか突き合わせてみると、矛盾しているのでは?と思われる記述もありました。
なかなか複雑です。
以下のカーブが、多分これでいいのでは?と思われるものなのですが。。。
NABはどうかというと、
時定数は3,180μsと50μs(周波数はそれぞれ50Hz、3,180Hz)です。
録音のカーブは、50Hz以下は6dB/1オクターブ上昇。50Hzから3,180Hzまでは平坦。3,180Hz以上でも6dB/1オクターブ上昇となります。
再生のカーブは、録音の反対で、50Hz以下は6dB/1オクターブ下降。50Hzから3,180Hzまでは平坦。3,180Hz以上でも6dB/1オクターブ下降となります。
ヘッドのインピーダンスの特性を考慮すると、録音時は6dB/1オクターブ上昇、再生時は6dB/1オクターブ下降のカーブが重ね合わせられます。
CCIRは。。。
時定数はテープの速度によって違います。
38cm/sec(15ips)、19cm/sec(7.5ips)の場合、35μs(周波数は4,500Hz)です。
9.5cm/sec(3.8ips)の場合、50μsです。
4.75cm/sec(1.9ips)の場合、70μsです。
38cm/secや19cm/secの録音のカーブは、4,500Hz以下は平坦。4,500Hz以上は6dB/1オクターブ上昇となります。
再生のカーブは、録音の反対で、4,500Hz以下は平坦。4,500Hz以上は6dB/1オクターブ下降となります。
ヘッドのインピーダンスの特性を考慮すると、録音時は6dB/1オクターブ上昇、再生時は6dB/1オクターブ下降のカーブが重ね合わせられます。