ShureのカタログにM44が初めて載ったのは、1964年(今からちょうど60年前ですね)のことだったようです。
画期的な製品だったようで、紹介に1ページ費やされています。
少し読んでみましょう。。。
音については昼と夜ほどの違いがあるようです。
- 可聴域の周波数特性がフラットであるとか、コンプライアンス(25 x 10-5 cm/dyne)については改善されたわけではない。
- IM(インターモジュール歪)と高調波ひずみがこれまでの製品、Shure Stereo Dyneticに比べて75% から 90%減少している。
- チャンネル間のクロストークが低中域で打ち消され、チャンネルセパレーションが優れている。
※Shure Stereo Dyneticというのはステレオ・レコード用の初期のカートリッジで、M3やM7のことです。
針が格納式になっているようです。
- トーンアームに過剰な力がかかると瞬間的に引っ込む。
うーん、これはどういうことでしょう?針が上下方向に動くということでしょうか?
格納。カートリッジ本体に針が引き込まれるということはないし。。。
ここからが重要ですね。こうした改善がなにによってもたらされるかというと、有効垂直角度によるもののようです。
- 64年当時、それ以前のカッター針と再生針は、どれも有効垂直角度がまちまちだった。
- 角度の違いがIMや高調波歪の原因とされ、RIAAや EIAが提案する有効カット角 15度に統一されつつある。
- 15度はShure Stereo Dyneticでは実現できず、新設計のM44で可能となった。
図が載っていますが、確かに15度となっていますね(レコード盤の法線とカンチレバーの法線との角度が15度となっていてぱっと見てみたときにちょっと混乱するのですが)。