ステレオとモノラル、変換しようとするとなかなか大変です。
以前少し書いたことがありましたね。。。
ステレオの音源があって、それをモノラルにミックスすると考えてください。
これはRchに収録されている音楽の信号です。横軸は時間、縦軸は音の大きさを示します。簡単にするため、単純な正弦波で表してみました。
こちらはLchに収録されている音楽の信号です。Rchと同じ信号ですね。
RchとLchをミックスした音はR+Lになります。合わせた信号はRch, Lchそれぞれに対して 二倍の音量になります(※RとLは同じ信号なのでRchはLchに隠れて見えません)。
ここでRchは上の信号のままで同じ。Lchは信号がない状態をミックスすると、R+LはRと同じになります。
これはRchに二種類の周波数の違う信号が混ざった状態を示します。R1と、R1の二倍の周波数を持ったR2が混ざっていて、Rで表されます。複雑な信号あっても、RchとLchに同じ信号が入っていればミックスしたときには音量は二倍になります。Rchにしか信号が入っていなければミックスしたときに音量は変わりません。
RchとLchに同じ信号が入っているか、入っていないかで音量が変わってしまうということを言い換えてみると。。。
例えばヴォーカルはRchとLchに入っていて、リズム・ギターがRchだけに入っているとしましょう。ミックス後は、ヴォーカルがリズムギターの倍の音量となってしまい、バランスは大きく崩れてしまうことになります。
これは困ってしまいますね。どうミックスしてもこういった現象は起こってしまいます。。。
ここでちょっと位相をずらしてみましょう。Rchの信号の位相を+30°ずらした信号がR+30degを表します。
RchとLchとで±30°ずらして、両者をミックスしたR+Lを見てみると、位相をずらさない場合に比べて音量は下がっています。
さらに±60°ずらすとどうでしょう。R+LはRchとLchと同じ音量になっています。
CSGは、この±60°の位相ずらしを行う装置なのです。
ちゃんとしたステレオ音源とモノラル音源を作ろうとすると、本来はマルチ・トラックにまで遡ってそれぞれの音源のためにミックスをする必要があります。
レコード会社も予算の都合上、簡単にモノラル音源を作りたかったのでしょう。ステレオ音源からモノラルを作り出せるCSGは便利な装置だったことでしょうね。。。