針とびを防ぐためにコンプライアンスの高い針を使うという方法は、昔から取り入れられていました。
60年代終わりころ、Shureが開発したMMカートリッジのV15あたりからでしょうか。Shureではトラッカビリティと製品の売りを表現していました。
コンプライアンスは機械インピーダンスやモノの動きやすさを表現する言葉で、ちょっとややこしい表現ですが、次のように考えられます。
- コンプライアンスが高いと、機械インピーダンスは低くなり、さらに外から加わる力によって動きやすい(応答しやすい、敏感)だと言い換えることができます。
- 逆にコンプライアンスが低いと、機械的インピーダンスは高くなり、外力によって動きにくいと言い換えられます。
針が音溝に追従できないときに針とびが起こるわけですから、針が動きやすいコンプライアンスの高い針を使うと効果的だと言えるわけです。