針とびを防ぐためには、コンプライアンスの高い針を使いさえすれば安心なの?というと必ずしもそうではないようです。
よりよいとは言えそうですが、どれだけ有効なのかは、特性を調べてから判断したいところです。
こちらはレコードプレーヤに記載されていたグラフです。
一般的なカートリッジについての特性で、横軸の周波数に対する、縦軸の機械インピーダンスの関係を示しています。
機械インピーダンスは周波数帯全域でフラットにはなるわけではなく、低域と高域とで山がありますね。該当する周波数では、針は動きにくい、ということになります。
こちらは、ShureのV15 Type IIの機械インピーダンスを測定した結果です。
トラッカビリティがよい(=ハイ・コンプライアンス=機械インピーダンスが低い)V15でも一般的なカートリッジと傾向は同じようです。
レコードプレーヤの著者、山本さんは、以下のようにコメントしています。
高音域の機械インピーダンスは比較的大きく、メ ーカーでは、針圧1g以下ですべてのレコードをトレース出来るだけの、“トラッカビリティ”をもっていると称していますが、高音大振幅の信号の場合に少々不安があります。 針圧約1.5g以上で使うのが安全です。
V15は軽針圧のカートリッジと言われていますが、盤によっては、少し針圧をかけないとトレース性能が確保できないようです。