しばらく更新していませんでしたが、今年もゆるゆる書いていきたいと思います。
針とびについて書いていて、放置してしまいましたね。。。
読み返してみますと。。。慣性について書いていますね。
そう、モノの動きには慣性という性質があって、
止まっているものは止まったまま、
動いているものはそのまま動き続けます。
交通安全の標語に、「飛び出すな 車は 急に止まれない」なんてのがありますね。。。
レコードの針も例外ではありません。
レコードの音溝は蛇行していますが、一方に振れたり、反対方向に振れたりするうちに針は追従できなくなってしまうことがあります。
断面がV状の音溝の一方に針が押されて動き始めると、そのまま動き続けようとします。音溝は逆方向にも押し返しますから、針の動きは忙しないですね。
レコードの音溝に針が追従できなくなるのは、例えば高域の音を再生するときが考えられます。高域の音を録音した音溝は、小刻みに忙しく蛇行しているからです。
追従するには、不利な条件になりますよね。。。
ちょっと話がそれますが、「アナログ・レコードはデジタルより優れている。なんていっても録音された高域に制限がないから」といった話を耳にします。
でもこれ、ちょっとヘンです。
針が追従ができなくなる限界があるのであれば、どこまでも再生することは無理かと思います。他にも無理な理由はありますが、話がそれすぎるのでここでは触れません。。。
そうすると、針とびを防ぐにはどうすればいいでしょう?
針とびを起こすとき、 W/sqrt(2) < |zm| * |v|*sin(2*pi()*f*t+Φ)という条件があるのなら、針圧Wをどんどん上げていったらどうなるでしょう⁇
でもこれをやってしまうと、音溝を傷つける恐れがあります。
針と音は接触面積が小さいので、たとえ数gの針圧でもかかる応力(単位面積当たりに働く力)は非常に大きいからです。
因みに針圧の高い針は接触面積が大きく、応力を緩和するように工夫されています。逆に針圧の低い針は、接触面積が小さくなっているものが多い傾向があります(接触面積が小さくても応力が大きくならないからです)。
設計値通りに針圧はかけた方が無難ですね。
他に針とび防ぐを防ぐ方法はあるでしょうか?
ひとつにはコンプライアンスの高い針を使うという選択があります。。。