2014年~2015年に発売されたSuper Deluxe Editionのブックレットには、リマスターに使われたと思われるマスター・テープの外箱の写真が掲載されています。
こちらはPhysical Graffitiの外箱です。
箱を眺めてみましょう。。。
テープは、かつてイギリスにあったエレクトロニクス・メーカー、Racal Electronics plc製で、左の方にロゴが見えますね。箱の上にはTrident Studiosの用紙が貼られています。
レコード・コレクターズ2015年9月号に書かれていた通り、これがRay StaffがTrident Studiosでマスタリングしたマスター・テープそのもの、ということになるでしょうか。
ツェッペリンはOlympic Studiosでレコーディングすることが多かったのですが、どうやらオリンピックにはカッティングの施設がなかったようです。カッティングの際は、トライデント(やその他のスタジオ)でマスタリングやカッティングをしたのではないかと思います。
日付は75年1月13日。もう発売が迫っている頃ですね。大変なバック・オーダーを抱えているのに間に合うのか心配になってしまいます。。。
LPのマトリックス・ナンバーにはUK盤のレコード番号が、そしてUS盤のレコード番号が曲目の空白に記載されています。これはUK盤の方が先に記載されたということなのでしょうね。マスタリングの作業はUK盤、US盤の順で行われたと思われます。
筆跡は、アルバム・タイトルのPhysical Graffiti(クライアントの欄に書かれていますね。。。)とUS盤のレコード番号、収録時間を計算した文字が一緒に見えます。
その他は皆一緒でしょうか。Ray Staffは、Physical Graffitiにはしませんでしが、他のアルバムにはデッド・ワックスにRayと刻むことがありました。署名の筆跡とこの用紙の筆跡は似ていますね。Ray Staffが書いたのかも知れません。
UK盤のマスタリングとカッティングを行ったときには、まだアルバムのタイトルが決まっておらず、その後US盤の作業(カッティング?)をしているときにタイトルとUS盤のレコード番号、収録時間を書き入れたと考えられます。
EQUALIZED AND LIMITED PRODUCTION COPYにチェックが入っています。オリジナル・マスターでもオリジナル・マスターから作ったセーフティ・コピーでもないのですね。
この場合、ミックス・ダウンしたテープのことをOriginal Masterと呼んでいるのでしょうか。
NABにもチェックが入っています。NABは、リール・テープの特性についてのアメリカの規格です。ヨーロッパにも規格があるのですが、アメリカでの再生も考えて、アメリカの規格を使ったのでしょうか。
死にかけてには"Watch Reverse Phase 10:30-10:50"という表記がありますね。マスタリングのときの注意事項なのでしょうね。逆相。。。レコードではどんな仕上がりになっているのでしょうか。
"Watch, ending”とも書いてあります。これは咳が収録されていることに注意しましょう、ということかな?