ツェッペリンの楽曲は、1990年にデジタル・リマスターCDとして再発売されました。
編集が本来のアルバムとは異なっていて、4枚組"Led Zeppelin Box Set"と2枚組"Remasters"の二つの形で曲順を並べ替えられて収録されました。
写真は"Box Set"のCDケースです(CDは写真のようなケースに収められていました)。
"Box Set"には"Good Times Bad Times"を除いて2枚組に収録された曲をすべて収録しています("Box Set"を買った人は、"Good Times Bad Times"一曲のために”Remasters"を購入するのか悩まなくてはなりませんでした。。。)。
また"Box Set"と”Remasters"を合わせてもスタジオ盤に収録された曲がすべて網羅されているわけではありません。どうやら90年の時点では"Box Set"に収録された曲+"Good Times Bad Times"だけしかデジタル・リマスターは行われなかったようです。
デジタル・リマスターを担当したエンジニアはSterling SoundのGeorge Marinoで、ジミーも同席してデジタル・リマスターの作業を行ったのだそうです。
このときに元になったテープは、セーフティ・テープではなく、マスター・テープであるといわれています。
"俺の罪"はアナログ盤や80年代のCDに比べてイントロが長く収録されています。アナログ盤をカッティングするためのテープではなく、その元になったテープの可能性があると考えられるでしょうか。
デジタル化はSONYのPCM-1630でしょうか。16ビット/44.1kHzでAD変換され、デジタル・データはテープに収録されたようです。
"Box Set"にはMoby Dickと、モントルーのボンゾを一つにまとめた曲"Moby Dick/Bonzo's Montreux"が収録されていますが、これはアトランティック・レコードのスタジオにあったSynclavierを使ったそうです。シンクラビアは初期のDAWで、プロ・ツールズが一般的になる前に使われた機材です。
"ゴナ・リーブ・ユー", "Thank You", "祭典の日", "天国への階段", "永遠の詩", "Trampled Underfoot"について、80年代のCDと"Box Set"をスペアナで比較してみました。
George Marinoの音は少し高域が大きいのでは?という話を耳にしますが、実際に周波数特性を見てみると、確かに"Box Set"の方が高域が大きく収録されている傾向があるようです。但し "永遠の詩"についてはDiamentのCDの方が高域が大きく収録されていました。