LED ZEPPELIN - CELEBRATION DAYS

Led Zeppelinの音源を少しずつ集めています。

Reels Of The Holy 10 : スターグローブス

今回は、スターグローブスで録音された曲について書いてみます。

スターグローブスはミック・ジャガーが所有していた別荘で、録音をするためのスタジオというわけではありませんでした。
そのため「III」や「Four Symbols」と同様、モービル・スタジオを持ち込む形で録音作業が進められました。
エンジニアはエディ・クレイマーで、ニュー・ヨークから呼び寄せたようです。

このときの録音の様子は、エディ・クレイマー自身がインタビューなどを通じてたびたび語っています。

・メンバーは旅とツアーで刺激を受けていた。
・皆自信たっぷりで、自分たちの仕事に満足していて、雰囲気は最高だった。
・アイデアにあふれていて、特にロバートはその場でひらめくように歌詞を作っていた。 
・「Dancing Days」をプレイ・バックしたときには、四人が庭の芝生の上で一緒になって踊り出した。
・ボンゾとの仕事はとてもやりやすかった。部屋に一人残してドラムにたった三本のマイクを立てて演奏をさせた。素晴らしいドラム演奏が録音できた。
・彼は激しく叩くし、軽やかにも叩くこともできた。仕事も早い。
ツェッペリンのリテイクは、ほとんどが歌の問題かトリッキーなリズム・パターンのせいだ。ボンゾが自分のパートをマスターすればすべてがうまくいった。

なるほど。とてもうまくいっている様子が伝わってきますね。

「Houses Of The Holy」は、それまでの4枚と違った雰囲気に仕上がりましたが、プレッシャーを感じながら試行錯誤しながらアルバムを作ったというわけではなさそうです。のびのびと自分達のやりたいようにできたという印象です。

作業する期間は短かったのですが、少なくとも以下の6曲が録音されたようです。

1. 72年5月16日: Walter's Walk
2. 72年5月18日: The Overthre/Plumpton & Worcester Races(後の"The Song Remains The Same")
3. 72年5月18日: Best One Yet(後の"The Rain Song")
4. 72年5月??日: The Rover
5. 72年5月??日: D'yer Mak'er
6. 72年5月??日: Black Country Woman

1.「Walter's Walk」は、「Houses Of The Holy」ではなく「CODA」に収録された曲です。
恐らくベーシック・トラックの録音までは進めたと思われるのですが、ある時点で作業は中断したようです。
というのも「CODA」に収録された「Walter's Walk」は、ロバートの声は枯れてしまって、72年当時に歌ったものではない印象です。
80年代になってからヴォーカルを(他の一部のパートと一緒に?)オーバー・ダビングしたと思われます。

2.「The Overthre/Plumpton & Worcester Races」と3.「Best One Yet」については、次回以降に書こうと思います。

4.「The Rover」は、コンパニオン・ディスクにラフ・ミックスが収録されることもなく、その他の情報も少なく、制作の過程を知る手掛かりがありません。
「Houses Of The Holy」の制作時に作業は進んでいたのか、それとも「Physical Graffiti」の制作時に作業を進めたのか、よくわかりませんね。

ちなみに「The Rover」は、コンサートのリハーサルを収録した音源の中で聴くことができます。
このリハーサル、73年7月のシカゴという説もあれば、75年1月のミネアポリスという説もあり、日付と場所がはっきりしていません(どちらかというとシカゴ説が有力でしょうか)。
ただ音源の中には「The Rover」の他に「The Wanton Song」が収録されているため、75年の方が正しい気がします。
「The Wanton Song」は、「Physical Graffiti」を制作するときに作られた曲なので、73年だとしたら、まだ多分曲はできていないように思うのです。

でもまあリハーサルがどちらであっても、必ずしも録音時期の根拠にはならないですね。

5.「D'yer Mak'er」はスターグローブスで作曲して、ヴォーカルまで録音してしまったといわれています。
この曲はコンパニオン・ディスクの中で、唯一ラフ・ミックスが収録されませんでした。
出来栄えを確認するためにラフ・ミックスを作るまでもなく、曲は完成したのでしょうか。

6.「Black Country Woman」についてもラフ・ミックスが残っていません。
特に凝ったアレンジもなく、スターグローブスでヴォーカルの録音ができたそうなので、この曲もラフ・ミックスを作るまでもなかったのでしょうか。

 

話は変わりますが、エディ・クレイマーは、スタジオ内でしばしばミュージシャンの写真を撮っていたそうです。
ストーンズジミ・ヘンドリックスの写真を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

ツェッペリンについてもスターグローブスの様子を撮影していて、スーパー・デラックス・エディションのブックレットなどでその一部を見ることができます。

少し眺めてみると。。。

モービル・スタジオはストーンズが所有していたもので、迷彩塗装をしていますね。

屋外でも録音をしたようです。「Black Country Woman」の冒頭、偶然飛行機が飛んできて、プロペラの音が入ってしまったなんて逸話がありますね。

そうそう、映像も残っていましたっけ(今見たら見つからなかったのですがYouTubeに投稿されていました。そのうちまたアップロードされるかもしれませんね)。