LED ZEPPELIN - CELEBRATION DAYS

Led Zeppelinの音源を少しずつ集めています。

Reels Of The Holy 13 : No Quarter ミックス違い

72年のUSツアーは6月に行われたのですが、中旬にはニュー・ヨーク近辺でコンサートが開催されました。
ニュー・ヨークにはエディ・クレイマーのエレクトリック・レディ・スタジオがあったため、ツェッペリンはこの機会を使って録音作業を行ったようです。

どんな作業だったのかはあまり明らかになっていないのですが、非公開の音源が残っていることから、少なくとも「No Quarter」についてはミックス作業が行われたことがわかっています。

この音源、長さは23分で、三つのミックスが収録されています。

1.「No Quarter mix 1」 (収録時間:7:13)
2.「No Quarter mix 2」 (収録時間:7:39)
3.「No Quarter mix 3」 (収録時間:7:17)

1,2はまだヴォーカルもなく、楽器のオーバー・ダビングもほとんどされていない状態です。
両者は似た雰囲気ですが、もしかしたら違うテイクなのかも知れません。

まず明らかに違うのは収録時間ですね。
そらからフェード・アウトせずに演奏が唐突に終わるのですが、その終わり方に違いがありました。
また、1に比べて2の方が若干音量が大きいようです。

3はおそらくレコードにされた公式なテイクと同じもので、ヴォーカルも楽器もオーバー・ダビングされた状態です。
ほぼ完成したと言えますが、レコードとは細部のミックスで違いがあり、多少ラフな印象です。

テルミンの音が公式のミックスに比べて大きく、ギターソロや歌に被さっていて、聴きようによっては邪魔に思えます。
このミックスでもフェード・アウトせずに唐突に終わるのですが、作りこまれていて、完成直前という印象も受けます。

ところで「No Quarter」は、スタジオ版とライブ版とでキーが違って、スタジオ版がC#mなのに対してライブはDmとなっています。
一説によると、どちらもDmで録音されたのですが、(重い雰囲気を出すため?)スタジオ版は半音下げられたと言われています。

ここで三つのミックスを聴いてみると、音程はどうなっているでしょうか。
1.2はDmになっています。面白いのが3で、Dmで始まるのですが、後半はC#mになっています。

どうやらもともとDmで演奏されたという定説は正しそうですね。
3は、スピードを調整する過程の試行錯誤を記録しているのでしょうか。

そういえば以前、コンパニオン・ディスクに収録された音源について触れました。

ところで、このラフ・ミックスはいつ頃制作されたのでしょうか。
>6月第2週頃にニュー・ヨークでミックス作業があったようですが、その音源との関係は? 
>何回かあとに6月の音源について書くので、そのときに一緒に考えてみたいと思います。

このラフ・ミックスはどうでしょう。
こちらのミックスは、曲全体が半音下がってC#mに、またフェード・アウトで終わっています。
この点ではレコードになった正式なミックスと同じで、完成に近いミックスと言えます。
一方で、ヴォーカルが入っていない点では、初期のミックスのようにも思えます。

6月の三つのミックスとコンパニオン・ディスクに収録されたラフ・ミックスを比べてみれば、ラフ・ミックスを作った時期を推定できるかなと思ったのですが、はっきりしたことはわかりませんでした。。。