垂直トラッキング角が15度というと、まずはV15が思い浮かびますね。
M44はというと、あれもそうだったんだ。。。という印象です。
現在では、堅牢でDJ向きと紹介されることはあっても、垂直トラッキング角がどうこうと言及されることは目にすることはないように思います。
V15(Type 〇〇と呼ばない最初期の製品)は、M44より後に製品化されたようです。
M44より一年遅れて、1965年のカタログに掲載されています。
ちょっと紹介文を見てみましょう。
https://service.shure.com/s/article/vintage-shure-catalogs-1933-1984?language=en_US
紹介の途中で、V15の特徴がまとめられています。
これによって、IM 歪みと高調波歪みを低減すると謳っています。
V15は、M44のもつ15度のトラッキングに加えて、楕円針の採用とそれに必要な品質管理が加えられているようです。トレース歪をより小さくするための楕円針はこのころ出始めたのでしょうか。
その他、ちょっと気になる点を挙げてみましょう。
- 開発設計は63年の終わり頃
- 公差が厳しく厳密な検査が必要なため、数量限定で、安価ではない。
- SMEのトーン・アームとの組み合わせで、難しく変調の激しいパッセージでも最小の力でトラッキングする。
- 宇宙時代の信頼性を実現する品質管理と検査対策
- 精密機械加工されたアルミニウムと超安定性プラスチック スタイラス グリップによって、内部、取り付け部分のすべてにおいて正確な位置合わせを保証する。
宇宙時代というのは、時代を思わせますね。当時最先端のロケットを引き合いに出すほどの品質管理(!)
またSMEのトーン・アームと組み合わせた使用法を提案していることにも注目です。