1965年のカタログを見てみます。
こちらには、当時販売されていた製品の比較が掲載されています。
どんなことが書いてあるかというと。。。
V15について、トラッキング角15度と楕円針によって、ピンチ効果、IM、高調波歪が低減されています。
徹底した品質管理が行われ、文字通り手作りで個別にテストされています。
Shureの最高級カートリッジで、価格は62.50ドルです。
M55Eは、楕円針とトラッキング角15度により、歪みがなく、低質量で傷つきにくい特徴を持ちます。
標準の品質管理条件下で製造されます。
トーンアームが1gで追従できれば、最適です。
特別価格は35.50ドルです。
M44は手頃な価格で最高品質のカートリッジとされています。
4~1.5gの場合は、0.0005インチの針を備えたM44-5が最良であり、1~3gの場合はM44-7が最適です。
M44-5は21.95ドル、M44-7は19.95ドルです。
他にもM7やM3が掲載されていますが、これらはもう少し古い製品で、M44の方が優れているようですね。
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M55は、カートリッジ本体はM44と同じですが、針の違いによってM55EやM44-5、M44-7として販売されます。
これらの製品を比較すると、Shureの最高機種であるV15は品質管理が厳しいだけで、楕円針をつけたM44とはあまり変わらない印象を受けます。
また、設計にも共通点があり、安価で初心者向けの製品ではないことがわかります。
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ただし、これらのカートリッジはその後、異なる経過をだ撮ります。
V15は仕様が少しずつ変わり、SMEとの組み合わせでトラッキングを追求しました。
外装もType 2以降はアルミから樹脂に変更され、自重が軽くなり、より軽い針圧に適した設計になりました。
一方、M44は外観が変わりましたが、音を拾う機能面においては生産終了まで変更はありませんでした。
設計された使用のまま、50年以上にわたり生産され続けたなんて驚いてしまいますよね。