LED ZEPPELIN - CELEBRATION DAYS

Led Zeppelinの音源を少しずつ集めています。

Houses Of The Holy オリジナル日本盤

Houses Of The Holyについてはオリジナル日本盤も取り上げてみたいと思います。

 

日本盤というと独自にカッティングされたアルバムが多く、それらはオリジナルのUS盤やUK盤に比べてどちらかというと眠い音がして、一般に評価は低いようです。

 

ただ本作については例外で、高域が強調された派手な音に仕上がっています。

 

どうしてそうなったのか???

Dolbyのノイズ・リダクションをかけて録音されたテープをノイズ・リダクションをかけずにカッティングしたからだという説もありますが、どうなのでしょう。。。

 

とりあえずオリジナルのUK盤と日本盤の周波数特性を比べてみることにしました。

 

こちらはUK盤A2/B2の周波数特性で。。。

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こちらは日本盤P8288です。

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録音レベルを揃えて24bit/96kHzでデジタル化し、"永遠の詩"の冒頭40秒をグラフにしてみました。赤線はピーク値で青線は平均値を示します。

確かに日本盤は全体的に音量あって、特に1~10kHzあたりが目立ちます。

 

さらにDolbyのNRについて、少し調べてみました。

DolbyのNRにはいくつかの種類あり、スタジオで使われたものがDolby A、民生機器で使われたものがDolby B、Cだったようです(手元にあるカセット・デッキにも搭載されています)。

 

もっとも馴染みのあるDolby Bは、高域のヒステリシス・ノイズを抑える働きがあるのですが、Dolby Aは可聴域を4つに分けて、各帯域でダイナミック・レンジを広げるような働きがあるようです。

  

NRをかけ忘れたために高域が目立ってしまったという説が出てきたのは、NRにはいろいろな種類があることに気がつかず、NRならすべてDolby Bと同じ働きをするものだと考えてしまったからなのでしょうか。

スタジオで使うNRはDolby Aだったはずですから、かけ忘れたとしてももっと複雑な動作をして、高域が強調されたとは違った効果になるような気もするのですが、どうでしょう??

 

ちなみに2014年に発売されたスーパー・デラックス・エディションのブックレットには本作のマスター・テープの箱が掲載されていました。

箱には"NON Dolby"と大きく書いてあったので、マスターにはDolbyが使われていなかったことになります。

 

今のところは明確な結論が出てきそうにありません。周りの詳しい知人の意見も訊いてみたいと思います。