9月の終わりに、海外の友達といろいろとやり取りをしました。
話題はちょうど50周年となる、71年の来日公演の公式録音についてです。
最初はなんとなく話していたのですが、なんだか盛り上がってしまって。。。
素晴らしい演奏だったとされているので、もし録音したのならぜひ聞いてみたい!と。海外でも関心が高いようですね。
残された写真や当時の話をもとに、みんなであれこれと考えてみました。推測も多く、だらだらと意見交換しただけで、明確な結論が出たわけではないのですが、面白いところは一部書き残しておこうと思います。
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まずは、当時のPA機材について。
以前、このブログでも載せましたが、写真は武道館で撮影されたPAのミキサーです。
現在は客席の中で会場の音響を調整することが一般的ですが、当時はステージ上、客席から見て右側で調整をしていました。
Rusty BrutscheはShowcoのエンジニアで、ツェッペリンの多くのコンサートを担当しました。
一般的ではないというと、ツェッペリンの場合、モニター・スピーカーの位置もそうですね。足元ではなく、写真のようにステージ脇両側にモニター・スピーカーが設置されていました。
ヴォーカル、生ギター、マンドリンの音は、このスピーカーから出していたのでしょう。
こちらの写真は、72年の豪州ツアーの際、使用されたミキサーの写真です。武道館のコンサートから約半年後に撮影されたものなので、武道館でも同じような構成の機材を使っていたかと思います。
これらの写真から、どんな機材が使われているのか調べてみました(リンクは以前の記事)。
ライブの音3 - LED ZEPPELIN - CELEBRATION DAYS
1はディスク式ディレイのBinson Echorec P.E. 603-Tに似ています。型式は違うものの、Binsonの製品の一つかと思います。
2はTeletronix LA-2に似ています。こちらも型式は違うものの、Teletronixの製品の一つかと思います。オプティカル式のコンプレッサーでヴォーカルにかけていたかもしれません。
3-1,2は Urei 1176-LN ですね。有名なオプティカル式のコンプレッサーです。
4,5,6,9はデザインが似ていますね。
おそらくノブの一つ一つが各チャンネルに対応しているのでしょう。テープが貼ってあって、どのチャンネルがどのマイクに対応を示しているのかを表示しているのでしょう。
5はGrommes Precision ElectronicsのG5M Tube Mixerです。
4と6と9もGrommes Precision Electronicsの。。。ミキサーなのでしょう。
7はなんでしょう。わかりませんね。
8はKenwood KC-6060A Audio Lab Scopeで、オシロですね。
10は、不明です。
ミキサーというと、テーブルにリニア・フェーダーがたくさん付いたものを想像しますが、当時は、ロータリー・フェーダーが付いた機種をラックに収めて使っていたようですね。
写真を観察したところ、4,9,5,5-2が6chの真空管ミキサーで、6に繋がっているように思いました。おそらく4,9,5,5-2がそれぞれ1chにまとまって、それらをさらに6でミックスしているのでしょう。よって、入力は6×4=24chあるかと思います。
それから1の出力は4の入力に接続されていますね。ヴォーカルにエコーをかけて、それをミキサーに送っているのかと思います。