70年夏のUSツアーが行われた頃、メンフィスにあるMastercraftでサード・アルバムのカッティングが行われました。
MastercraftはAuditronicsという放送機器を扱う会社の一部門で、Howard Craftというエンジニアが作ったマスタリングを行う会社です。地元メンフィス近郊のレーベル、STAXやHiに所属するAl Green、O.V. Wright、The Staple Singersなどのソウルのレコードを手がけた実績があります。
サード・アルバムのデッド・ワックスにはMastercraftという文字が刻まれています。
カッティングしたのは、Paul Richmondというエンジニアかと思います。
ちょっと読みにくいですが、PRというイニシャルが見えます。
ところでMastercraftは、Longwere Platingという会社と関係があります。
Longware Platingはスタンパーを製作する会社なのですが、ツェッペリンに関してはファースト・アルバムとセカンド・アルバムのスタンパーが同社製でした。
デッド・ワックスにはLongware Platingが関わったことを示す、LWやLWPというイニシャルが刻印されています。
サード・アルバムがMastercraftでカッティングされたのは、そのつながりがあったためでしょうか。
英国のトラッドな音楽の影響を受けた楽曲を収録したアルバムが、ソウルの盛んなメンフィスでカッティングされたというのは、ちょっと不思議な感じがしますね。