写真はPhysical GraffitiのUS盤のレーベルです。
スワン・ソングが設立されたため、このアルバムからレーベルのデザインが変わります。
こちらは西海岸のMonarch Recordsで製造されたもの。
こちらは中西部のPRC Recording Corp.で製造されたものです。
よく見るとレーベルの色味がちょっと違っていたり、曲目の活字や位置が微妙に違っていますね。他の工場で製造されたものを比べてみると、さらに違いがあるようです。
盤自体にも違いがあって、たとえばMO盤は他の工場の盤に比べて少し薄いようです。
これらの盤はどういう素性のものなのでしょうか?
オリジナル盤と言い切れるの?と訊かれると、ちょっと自信がありません。
アトランティックのレーベルは、74年以降リムの部分にWのロゴ(ワーナーの頭文字)が追記されるようになるのですが、このアルバムに関してはWのロゴがありません。
製造時期を推定する便利な特徴なのですが、この盤では参考にできませんね。
手持ちの盤のうち三枚は、4面がすべてB、すべてD、B/D/D/Cという組み合わせになっていました。
さらにDiscogsなどで調べてみると、C/D/C/B, C/B/D/B、F/G/F/G、C/C/D/D、D/G/G/G。。。 Aはなく、BからGまでがばらばらに組み合わさっているようですね。
どうも製造時期を特定するヒントは見つかりそうにありません。
アトランティック・レコードは、発売時は両面のサフィックスが揃っているのですが、発売してからしばらく経つと両面のサフィックスが異なるレコードを製造していたようです。
中にはモノ盤とステレオ盤が混ざった盤も存在するくらいです。面によって用意したスタンパーの数が合わなかったとか、劣化の度合いが面によって違ったとか、そういった理由があるのかも知れません。
ただ。。。Physical Graffitiほどばらばらな組み合わせというのも珍しいですね(販売数から見たら調べた数は僅かなのですが)。
アメリカだけで100万セット(プレス数は200万枚)の予約があったとも言われていますし、全米で同時に発売するため一気にプレスしたと考えると混乱があってもおかしくないといえるでしょうか。
製品を市場に投入するので手一杯で、サフィックスを揃えるところまではできなかったとか?