Making Of LZ III 30 : マスター・テープは? 2

こちらはリールの箱の裏側です。

f:id:dummy_page:20200714214118j:plain

曲によって矢印とアスタリスク(?)が付いていますが、これはマスター・テープができた時点で曲目が決まっていた曲を示しているのでしょうか。

Out On The Tilesはまだ決まっていなかったのでしょうね。追記されたようです。

19128は再発時に追記されたと思われるのですが、同じインクで93-1004と書かれています。これはちょっとわからないですね。

興味深いのは移民の歌に追記されたコメントです。Taken Out 26.10.70 (On Other Reel)と書かれていますね。移民の歌を他のテープに取り出した、というのは、シングルを制作するためでしょうか。

日付が10月26日なので、アルバムの発売後、市場の要求でシングルを制作する必要ができた。その取り出した日にちを追記した、そう考えるのが妥当かと。。。

ところで日付の書き方が、”26.10”ですね。"10.26"ではなく。後者はアメリカ風の書き方なのですが、前者はイギリス風の書き方です。

とすると、やはりこのマスター・テープはUK盤をカッティングするためにイギリスに持ち帰ったのではないでしょうか。また19128という追記から、再発盤をカッティングする際にはアメリカに里帰りしたとも考えられます。

US盤もUK盤も甲乙つけられない、同じマスター・テープを使ったのではと感じたのも、この推測が正しければ納得できます。

移民の歌には、もう一つ面白い追記があります。

NOTE: Immigrant Song @ tail from singles reel July26, '99 と書いてあります。

これって何でしょう⁇?

日付はアメリカ風の書き方ですね。ツェッペリンのアルバムは、2000年にClassic Recordsから再発されたのですが、リマスターを担当したアメリカ人エンジニア、Bernie Grundmanがリマスタリングの作業中に追記したのではないでしょうか。

意味は。。。移民の歌が何らかの理由で使える状態ではなかったので、シングルを制作したときのリールから音を補填した、ということかもしれません。

LED ZEPPELIN - CELEBRATION DAYS